ブラジル日記

ブラジル経済の主要話題や各産業セクターの実情等、現地報道と体験に基づく考察。

S&Pがヴァーレを格下げ

格付け会社S&Pが資源メジャーヴァーレの格付けを“A-”から“BBB+”へ引き下げました。今後数年間の財務的リスクが増した為としています。見通しは引続き“安定的”です。

 

今回の格下げは、見通し鉄鉱石価格が2015年で65ドル/トン、2016年で70ドル/トンと低調に推移する予想を織り込んでいます。ヴァーレは引続き投資規模を引き上げる段階にある一方、鉄鉱石価格の下落はヴァーレのキャッシュフローを悪化させる要因になるとS&Pは伝えています(昨今の物流コストの低下やレアル安は若干キャッシュフローのプラスに働きます)。

 

価格下落により、ヴァーレの信用リスクは今年が最も高くなり、来年には少し改善し、2017年には2014年水準へ回復すると見られています。

 

ヴァーレは今後数年の投資継続により2017〜2018年に生産量の拡大を見込んでいる為、 S&Pは引続きヴァーレの財務リスクを鉄鉱石価格、ヴァーレの持つ高品位鉄鉱石の割合の変化そしてオペレーションコストの削減からモニタリングしていくとしています。