ブラジル日記

ブラジル経済の主要話題や各産業セクターの実情等、現地報道と体験に基づく考察。

ヴァーレ今期44億ドルの資産売却を実施

資源メジャーのヴァーレは今年、海外資産を中心に44億ドルの資産売却を実施し、資産売却総額は過去3年間で120億ドルに達しました。

 

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2013年には135ドル/トンだった鉄鉱石価格は現在68ドル/トンまで下落しており、5年ぶりの安値水準を記録しています。今後の市況も2−3年の低調に推移すると見られていることに加えて、現在保有しているカラジャス鉱山に隣接するセーハ・スル鉱山開発に170億ドル程度必要とされている為、財務基盤の強化を進めているようです。

 

今年の44億ドルの資産売却は昨年の60億ドルには及びませんでしたが高い水準になっています。内訳は日本でも報道されたかと思いますが三井物産へのヴァーレが保有しているモザンビークの鉱山及び鉄道・ナカラ港インフラの売却、世界最大の鉄鉱石専用船ヴァーレマックの売却、パルプメーカースザノ社へのヴァーレフロレスタ社(植林会社)の売却及びフォスブラジル社(化学品会社)の44.25%の売却等があります。さらに、直近ではヴァーレマックス社所有の貨物船15隻を15〜20億ドルにて売却する予定があるとのこと。又、来期はベースメタル部門の分離し、株式公開することで資金獲得を予定しています。なお株式公開価格は280〜350億ドルと伝えられています。