ブラジル日記

ブラジル経済の主要話題や各産業セクターの実情等、現地報道と体験に基づく考察。

冷房機器関連の販売が絶好調

今夏の平均気温(今、ブラジルは真夏です)の上昇は住民にとって寝苦しい夜が増える一方、エアコン・扇風機メーカーにとってはうれしい悲鳴のようです。経済紙Valorは、冷房機器関連の販売が前年比10%から最大で20%プラスになるとの見通しを発表しています。

 

昨年の夏が非常に暑かった為、今年も続けて猛暑になるとはだれも想像していなかったと、冷房機器販売店のToshio Murakamiは伝えています。会社によると冷房機器関連の販売は前年比10〜12%プラスと予想しているとのことですが、実販売はそれ以上に推移しているとのことです。そのため最も人気のある、簡素で安価なエアコンシリーズは既に品薄状態になっているとのことです。ブラジル人は車、オフィス、スーパー等でエアコンに慣れてしまっているので、その快適さを家で求めるようになるのは必然であるとも先ほどのMurakamiは語っています。

 

ブラジル空調製品販売大手のMondialは連日フル回転で販売しており、店舗在庫はほぼゼロの状態が続いているそうです。社長のGiovanni Cardosoは商品が店舗に到着した瞬間に売り切れてしまうと伝えています。今後もこの暑さが続けば中央配送センターの在庫も早晩なくなるだろうと伝えています。また、総合ス−パー大手のカルフールは商品の納入を早めるようメーカーに働きかけをしているとも言われています。

 

世界的に空調需要は堅調と言われていますが、ブラジルでも同様のようです。ブラジルで人気のある商品は安価で静かなモデルですが、今夏は特にサンパウロ都市圏で低価格でない、日本円で10万円前後の高給ラインも売れ行きが好調と伝えられています。

 

また、別の調査ですが、ブラジル国内でGoogleを経由して“エアコン”と検索された回数が、今月、過去11年で最高を記録したとのことですので、まさに今、消費者の関心がエアコンに向いている事が伺えます。

 

メーカー関係者によると、昨年末から続いているレアル安(輸入商品高になる可能性)の影響は未だ限定的で、現在はメーカー努力によって価格上昇が延期されている状態とのことですが、今後は他の物価上昇とあわせてエアコン価格も上昇する可能性があります。

 

サンパウロは標高が高いため緯度の割に涼しく、一般的な住宅にはエアコン設備がありませんが、今年の暑さは堪え難く、パウリスタもエアコン購入に走っているようです。