ブラジル日記

ブラジル経済の主要話題や各産業セクターの実情等、現地報道と体験に基づく考察。

2014年の新車販売台数は下落

12月の新車販売台数が発表されました。12月は前月比5.3%プラスで史上3番目の販売台数を達成しましたが、2014年通期では前年比7.4%マイナスで新車販売台数(商用車除く)は333万台となりました。2013年も前年割れだったので2年連続のマイナスとなります(因に2013年は前年比4%マイナスでした)。

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ある自動車メーカー関係者はブラジル経済の信用収縮を背景に銀行が消費者向けファイナンス枠を縮小したことに加え、ワールドカップ期間中の営業日減が販売台数減少の原因だったと分析しています。加え、昨年12月は工業製品税の減税最終月だったことから、駆け込み需要増があったと伝えています。因に、工業製品税は一般車で3%から7%へ、ハイブリット車で9%から11%へ、ガソリン車で9%から13%へそれぞれ増税(正確には減税されていたものが元に戻る)されます。

 

一方で自動車メーカーは今年、ブラジル自動車産業にとって最大の輸出国であるアルゼンチン経済の(ブラジル以上の)停滞によりすでに減産に乗り出しており、11月迄の生産量は前年同期比15.5%マイナスで推移したものの、未だ在庫がだぶついており、自動車工場組合によると42日程度の在庫量が各社の工場にあると伝えています。加え、年後半からのブラジル経済低調も相まってさらに減産が進んでいる状況です。

 

今年はレアル安の影響で輸入車が割高となるため、国内工場はある程度稼働率を保てるのではないかとの楽観的な見方も市場関係者からは出ているようです。