ブラジル日記

ブラジル経済の主要話題や各産業セクターの実情等、現地報道と体験に基づく考察。

ブラジルの大豆・トウモロコシ在庫は順調

ブラジル地理統計院(IBGE)より今期の穀物在庫量が前年比1.6%増であることが発表されました。 

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ブラジルは米国に次ぐ、大豆・トウモロコシの生産地であり、未開拓耕作適地の面積から将来的に世界一の大豆・トウモロコシの生産及び輸出国となることは確実と言われています。一方で、ブラジルの穀物輸出で常に問題が上がるのが脆弱なインフラ問題です。ブラジルの農地は内陸部にあるため港まで収穫した穀物を輸送する事になるのですが、従来道路網から発達した国の為、鉄道網が相対的に脆弱で、どうしても穀物のような大量輸送を必要とする状況には不向きです。そのため、毎年収穫・輸出時期になると港付近でトラックの長蛇の列が出来るというのが常となっています。

 

今回発表になった穀物在庫量統計は買い付け時や輸出時の相場を決める上でも非常に重要になってきます。今年は世界的な大豊作年となり、ブラジルも同様のようですので 、相場としては下落傾向になるのではないでしょうか。

 

Estadão紙によりますと、今年6月30日時点で穀物在庫は4千160万トンでその内、49.8%の2千70万トンが大豆、24.8%の1千30万トンがトウモロコシ、11.5%の480万トンが米、7.2%の300万トンが小麦そして、2.6%の110万トンがコーヒー豆となっています。2013年の6月と比較すると、大豆でプラス0.6%、トウモロコシでプラス20.3%、小麦でプラス75.3%、コーヒー豆でプラス35.8%と順調に在庫が積上っているとのことです。