ブラジル日記

ブラジル経済の主要話題や各産業セクターの実情等、現地報道と体験に基づく考察。

全国学力試験の結果発表

日本でも先週末に大学入試センター試験が実施されていたようですが、ブラジルの2014年の中等教育全国学力検定試験(Enem: Exame Nacional do Ensino Medio)の結果が開示されましたので内容を見てみたいと思います。

 

ブラジルの教育制度はざっくり言うと、日本の小学校6年間と中学校3年間にあたる教育を一括で基礎教育として8年間提供し、その後日本の高校3年間にあたる教育を中等教育として同じく3年間提供しています。そのため、今回の中等教育全国学力検定試験(Enem)というのはまさに、日本で言う大学入試センター試験のようなものなのです。ブラジルは基礎学力の底上げに力を入れており、それによって中等教育のレベルの上昇も期待しています。そして、毎年のEnemの結果はその教育改革の成果を計る一つの指標と言われています。

 

しかしながら、2013年の結果が満点481人、ゼロ点10万6千742人だったのに対して、2014年は満点250人、ゼロ点52万9千374人どちらも大幅に悪化しました。様々な要因があるでしょうが今後結果分析が出てくると思いますので改めて紹介したいと思います。

 

また、毎年のことではありますが、Enemで高得点を取るのは決まって私立中等教育機関の学生であり、良い教育を受ける為には、お金をかけて私立に入れなければ行けないというのがブラジルの現実のようです。基礎教育期間も含めて、ブラジルの公立のレベルはまだまだ低いのが実情で、公立レベルの引き上げが今後のブラジル教育全体の底上げには重要になると思います。