ブラジル日記

ブラジル経済の主要話題や各産業セクターの実情等、現地報道と体験に基づく考察。

ペトロブラス第3四半期決算発表再延期

以前にもお伝えしたように、監査法人であるPwCより決算承認がされなかったため、ペトロブラスは7〜9月期の決算が未公表でした。しかしながら、広報コメントで未承認の状態が続いたとしても12月12日には決算公表するとしていました。そして12日夜にペトロブラスより「 警察のラバジャット作戦(汚職一掃作戦)と直接・間接的に関連し、11月13日 以降に新たな修正すべき事項が確認された」との趣旨のコメントと合わせ公表再延期が発表されました。然しながら、決算書類再延期となって市場がネガティブに反応するのを恐れたのか、一部ハイライトの数字は公表されました。

 

売上げは海外の石油需要増により輸出が伸び、前年同期比13.7%増の8,837億レアル。短期負債は前年同期比35%増加し2,641億レアル、総負債は3,317億レアルとなっています。ネットキャッシュフローはプラス42億レアルで9月末の現金同等物は703億レアルとなっています。又、原油価格見通しを1バレル70ドル、為替見通しを1ドル2.60レアルに変更しています(数値は全て未監査)。生産量では原油及び原油派生物で前年同期比3.6%増の220万バレル/日、リファイナリー稼働率は前年同期比4ポイント増の100%で生産量は3.3%増の209万バレル/日とのことです。

 

今年9月時点のペトロブラス時価総額は2,297億レアルで前年同期とほぼ変わらなかったにも関わらず、12月12日(金)には約45%下落の1,270億レアルとなっています(上記公表は12日夜でしたので株価に反映されるのは月曜日となります)。ペトロブラス優先株は一株当り10.19レアルで2005年8月以来の安値、普通株も一株当り9.44レアルで2005年1月以来の安値水準まで下落しています。